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原付(原チャリ)でツーリング

原付バイクをツーリングに使うメリット
原付バイクゆえの制約
原付ツーリングにかかる費用
大きなバイクとのツーリングとの違い
ツーリングに必要な装備
持ち物
ルートの決め方
走り方、原付ツーリングで特に気を付けたいこと
ツーリング向きの原付リスト
原付二種にステップアップ
原付ツーリング、まとめ

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ツーリングというと大型バイク、少なくとも中型バイク、なんて考えがちですが、原付バイクでも楽しくツーリングは出来ます。
もちろん、原付バイクということでの制約はいろいろとあります。が、一方で原チャリならではのメリットもあります。


原付バイクをツーリングに使うメリット
・一般的に、燃費がいい
・街中でも、原付までOKの駐輪場が多い
・とにかく、小回りがきく
・比較的短い距離でも、旅をしている感じがする
・威圧感がないので、旅先で出会う人との間に、垣根をつくらない
・また、ナンバーを見て、「遠くから来たんだね」と驚かれるのも楽しみ
・天橋立のように、125cc(原付二種)までだったら走れる、という道もある


原付バイクゆえの制約
反対に、原付バイクならではのデメリットも、当然あります。
・一人乗りシートで、基本的に荷物が積めない車種が多い
(カブのように絶大な積載性を誇るモデルも、中にはある)
・街乗り用に作られているモデルがメインなので、航続距離が短いことが多い
・30キロ制限なので、警察がこわい
・幹線道路は、交通の流れに乗れないのでこわい
・片側一車線の道路も、無理な追い越しをされがちなので、こわい
・シートやポジションなど、そもそもそんなに長距離を走るように出来ていないので、体に疲れがたまりやすい
・また、小さなエンジンは常に高回転で使うことになりがちなので、その振動や音も疲れの原因になりやすい
・他のライダーから、ツーリングと思ってもらえない
・高速道路やほとんどのバイパスが使えない
・道路や速度の制限のおかげで、距離が稼ぎにくい
・もし万一旅先でナンパに成功しても、二人乗りが出来ない

原チャリでツーリング

原チャリでツーリング


原付ツーリングにかかる費用
原付ツーリングでかかる費用は、基本的に大きなバイクと変わりません。排気量が小さい分、燃費が多少良いくらいです。
他に変わるところがあるとすれば、フェリーを使う場合に安いのと、有料道路の通行料が安い場合があるくらいでしょうか。
ただし、ツーリングに限らずに日常の維持費で見れば、原付はかなり安いです。
まず、年間の税金が2,000円。これが例えば400ccのバイクだと6,000円ですから、1/3で済みます。
自賠責保険料も安いですし、車検も有りません。
また、任意保険も安く、もし普通自動車を持ってる場合でしたら「ファミリーバイク特約」という、自動車の保険に付帯する保険も使うことが出来ます。


大きなバイクのツーリングとの違い
大きなバイクのツーリングとの違いは、大きく3つ。
・大きな荷物が積みにくい
・一気に長距離を走るような走り方が出来ない
・高速道路が使えない
といったことでしょう。







ツーリングに必要な装備
まず荷物を積むための装備が必要です。普段の街乗りに使っているバッグやデイパックでも構いませんが、長時間乗り続けていると持ち重りがして疲れやすくなるものです。
シートに載せることを考えると、ダッフルバッグや防水バッグが便利でしょう。シートや車体への固定は、バイク用のショックコードやツーリングネットが便利です。
また、専用のシートバッグもいろいろと売られています。これらにはたいてい、ゴムやフックなど、バイクに固定するためのデバイスが付属しています。
積んだ状態で荷物を取り出せるなど、使い勝手も考えられているものが多いです。
バッグ以外に、バイク側に欲しい装備はキャリアです。もともとキャリアが付いているバイクも多いですが、無ければ後付けで探してみましょう。
また、最近はプラスチックのトップケースを付けてる方もよく見かけます。
GIVIやモノキーなど、専用のケースは鍵もかかるので、例えばツーリング先でバイクを離れて温泉に入ったりする場合にも安心です。
また、ケースが簡単に取り外せるタイプだと、フェリーに乗る場合にも船室で簡易な金庫の代わりになります。
ただし、ケースのデメリットは、ケースよりも大きな荷物が積めなくなることです。テントのポールなど、ケースに入らない長いものを積む場合には、シンプルなキャリアのほうが便利なこともあります。
そもそも原付は車体が小さく、シートも一人乗り用で、荷物が積みにくいものが多いので、前かごなども利用するなど、色々と工夫して荷物を積みましょう。

フェリー・原チャリ

原チャリ・キャンプツーリング


持ち物
ツーリングの持ち物は、日数や泊まる場所によって変わってきます。
ここではそれぞれのシチュエーションで最小限のものをあげておきます。
・日帰り
 免許証、お金、地図、携帯電話、合羽、タオル
・旅館などでの泊まりがけ
 免許証、お金、地図、携帯電話、充電器、合羽、タオル、着替え、洗面用具
・キャンプ
 泊まりがけの持ち物プラス、テント、マット、シュラフ(最低限のキャンプ装備の場合)
ほかに、夏場だったらサングラス、カメラや釣り道具など趣味に合わせた道具、またキャンプで自炊を楽しむ場合には調理器具なども、積める範囲で持って行くといいでしょう。

なお、パンク修理キットも持って行った方がいい、という意見もありますが、実際に出先でパンク修理ができる人、特にチューブタイヤの修理ができるような人はあまりいないと思います。
トラブルに関しては、工具やキットを持っていくよりも、JAFやバイクレスキューに加入するほうが安心でしょう。
近頃では主要道路沿いではたいてい携帯電話が使えますから、電話一本で駆けつけてくれるサービスは何よりありがたいです。
また、例えばJAFの場合、15kmまでの距離だと無料でバイクを運んでくれます。



ルートの決め方
原付は高速道路や自動車専用道路は走れませんので、当然それらの道路を避けてルートを組む必要があります。 また、できるだけ交通の流れの激しくない道を選びたいものです。
制限時速30キロですから、他の車に抜かれながら走ることになりますが、あまり大きな速度差でビュンビュン抜かれると危ないですし、ツーリングを楽しむ気持ちが削がれてしまいがちです。
交通量が少なく、のどかな景色の中のカントリーロードをゆったりと走る、そういうシチュエーションがやっぱりいいですよね。
ツーリングマップやネットの口コミなどで、できるだけ交通量の少ないのどかな道を探して、それらをつなぐルートを考えると良いでしょう。
また、時間的には、できるだけ夜間走行は避けたほうがいいでしょう。
原付は街乗りをメインターゲットに作られている事が多く、概してヘッドライトは強力ではないので、暗い田舎道はかなり怖いと思います。


走り方、原付ツーリングで特に気をつけたいこと
・航続距離の短さを考えて、早め早めの給油を心がける
・制限速度は30キロなので、とにかく捕まらないようにしっかりと注意をする
・無理に距離を稼ごうとしないで、むしろじっくりと楽しみながらの移動を心がける

原チャリ・キャンプツーリング





ツーリング向きの原付リスト
街乗り向きに作られているものが多い原付バイクですが、中にはツーリングに使いやすいものもあります。それらの一例を紹介します。
・ホンダ カブ
世界最強の低燃費と耐久性を持つ、ツーリング原付の王様。頑丈なキャリアには信じられないくらい荷物が積めるので、キャンプツーリングも当たり前にこなしてしまいます。また、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンも用意されているので、冬の北海道ツーリングも夢ではない、かもしれません。
・ホンダ モトラ
現行車種ではありませんが、前後に頑丈なキャリアが装備された、まさにアドベンチャーなツーリングのための原付です。もしも運よく中古で見つければラッキーでしょう。
・ホンダ ベンリイ
現行モデルのベンリイはオートマチックです。新聞配達などのプロ仕様ですから、雨にも雪にも負けないタフな作りが特徴です。前後に大型のキャリアが装備され、絶大な積載量を誇ります。また、燃料タンクも約十リッターと大型です。グリップヒーターや大型の前かごなど、オプションも豊富に用意されています。
・ヤマハ ギア
ホンダのベンリイとよく似た外見のプロユース原付です。街で見かける配達バイクは、これかベンリイの二つしか無い、と言っても過言ではないでしょう。ヘビーデューティーな作りはまさに働く原付。絶大な積載力と抜群の安定感で、日本中どこまででも走っていける頼れる相棒になるでしょう。
・ベスパ V50S
最後に、あえてイタリア製のベスパ。しかも、マニュアル変速で混合燃料のツーサイクルを選んでしまいました。大変趣味性の高いバイクで、おしゃれだけど壊れやすい、というイメージが根強いです。しかし、よく整備されたベスパは、なかなか壊れません。もともとがイタリアの実用バイクなので、耐久性もあり長く乗れます。しかもシンプルで大雑把な構造なので、とても整備がしやすいです。イタリアでは二人乗りも認められているので、シートもゆったりとしています(もちろん日本国内では二人乗りはNGです)。キャリアや風防など、パーツも豊富に出回っています。操作性や乗り味に癖はありますが、乗りこなす楽しみがあります。また、おしゃれなデザインで女子受けも抜群です。


原付二種にステップアップ
原付でのツーリングに限界を感じ始めたら、原付二種にステップアップも考えてみるといいでしょう。
125ccまでの原付二種は、原付と同じように任意保険のファミリーバイク特約が使え、自賠責保険料も同じなので維持費が低く抑えられます。
また、30キロ制限がないので、交通の流れに乗って快適に走ることが出来ます。 ただし、四輪免許では乗れないので、小型二輪免許を取らなければなりませんが。
このクラスには、ホンダCC110、ヤマハトリシティ、スズキアドレス125など、ツーリングでも快適な魅力あふれる車種がそろっています。


原付ツーリング、まとめ
原付バイクはツーリングに向いていない。そう考えがちなんじゃないでしょうか。 確かに原付は、たいてい街乗りをメインに作られているので、ツーリングに使うには難しい面も有るでしょう。
ツーリングに出ようとして、まず最初にネックになるのは、荷物を積むこと。バイクに荷物を積む場合、一般的なのはリアシートですが、原付は法律上二人乗りが出来ないので、シートも一人分しか有りません。
しかし、キャリアを取り付けたり、前かごを有効に利用したりすれば、その辺りは解決できます。泊まりがけのツーリングはもちろん、キャンプツーリングだって出来ます。
高速道路を使えないので長距離が大変、という意見もあるでしょう。たしかにそれは正しいです。しかし、例えばフェリーを利用すれば、ある程度それはカバーできます。
また、その場合大きなバイクに比べて乗船代が安いのも、原付ならではのありがたいところです。

バイクでツーリングをする、という原点に戻って考えてみましょう。天候に左右されず快適な四輪車や、安全な鉄道などを使わずに、あえてバイクで旅をするということの意味です。
外の世界に身体をさらして移動する、バイクの旅の醍醐味は「爽快さ」と「そこはかとない不安感」ではないでしょうか。そしてそれは、より車体の小さい原付バイクの場合、ひときわ強く感じられるのではないでしょうか。
高速道路を使えない、という制約も、逆に「高速道路という誘惑に惑わされない」と、ポジティブに考えればいいじゃないですか。
高速道路で一気に目的地へ向かうのもいいですが、山道や裏道を探して走るのもまた楽しいものです。道中、プロセスを楽しめるのも、バイクの良さでしょう。
大型バイクでは出来ない旅を味わえることもある、それが原付ツーリングです。

原チャリツーリング

Written By…おじまあきら 

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