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群馬・長野県道９３号線は楽しめる [地図表示]

１２日、１３日と毎年恒例のウラルサイドカー・ミーティングがあきる野市のキャンプ場『麦の郷』で行なわれた。
今年は、ＭＺサイドカーで世界ツアーを継続しているイギリス人ライダーをゲストに迎え、大いに盛り上がった。

特に仰々しい決め事などは無く、皆が気さくに飲み、喰らい、語らうのがこのミーティングのいつものスタイルだ。

殆どの参加者はバンガローに一泊するが、私は深夜にキャンプ場を後にした。

今回のミーティングに参加するに際しては、サイドカーで楽しめる道を開拓するため、
自宅からの往復にはこれまで通らなかったルートを試してみた。

通常、軽井沢とあきる野を往復するとすれば、上信越・関越道から圏央道を経由するのが一般的で最も早いルートだ。
ただ、私的には交通量の少ないマイナーな下道をのんびり走りたい方なので、いつもの如く超マイナーなルートを設定してみた。
それが、今回ご紹介するＲ２９９と群馬・長野県道９３号線を通るルートだ。

Ｒ２９９は、秩父から八ヶ岳方面を結ぶ知る人ぞ知る酷道であり、
県道９３号線は群馬県下仁田と長野県佐久市の臼田を結ぶ県道だ。
その二つの道が、Ｒ２９９の十石峠の手前で県道４５号線を介して繋がっている。

深夜０時半過ぎ、あきる野キャンプ場『麦の郷』を発ち、
武蔵五日市から福生へ抜けＲ１６からＲ２９９へと進み、
秩父から小鹿野を目指した。

秩父までは、遊びに来たクルマが少々鬱陶しかったが、小鹿野に入ると擦れ違うクルマも疎らになった。
山に入って眠気に襲われる前にコンビニの駐車場で仮眠を一時間少し摂り、リフレッシュして上野村へ向かう。

小鹿野から上野村に入り道も狭くなるが、道沿いに常夜灯が存在するところは同じ酷道のＲ１５２とは違って安心して運転できる。
更に驚いたのは、かなり山の中なのに深夜にもかかわらず人家には灯が点っている。夜更かしなのか超早起きさんなのか…。

上の村に入る前から既に信号は無くなり、一定速でのんびり走っているので十石峠手前に差し掛かったところで５時になった。
峠の入り口手前の掲示板には、情報通り『落石のため全面通行止め』の表示。このまま今年は冬季通行止めになるのだろう。

掲示板手前の分岐を右折し県道４５号線から９３号線を目指す。大きな下りカーブを幾つか曲がって橋を渡ると南牧村の入り口だ。
読み方は『なんもくむら』で、長野の南牧村とは読み方が違う。
私も最初は長野の方と混同していた。

村の入り口には訪問者を歓迎するアーチがあった。
道幅は、一車線か辛うじて交換が可能な程度だ。
橋から少し走った辺りが村のシビックセンターのようだ。
現れた村の合同庁舎は異様に大きく景色に不釣合いな印象を受けた。

もうこの頃は周囲も明るくなり、山村の風景が良く見えるようになった。紀行番組で見た事があるような情景だ。

点在する家々の軒をかすめるように進んで行く。
家々で焚かれる薪の煙の良い香りがする。

村の中心部を抜け、いよいよ高度を上げて行く。
道幅はギリギリ一車線。誰も通らなかったのか落ち葉も踏まれていない。

野生動物に出会える期待もしていたが、残念ながら今回は秩父でタヌキを見掛けただけだった。

狭く急勾配の道を上って行った先には文字通りの九十九折が待っていた。
見上げると道が階段のように山頂まで続いている。
それまで薄暗かった木立の中に朝日が差し始めた。
木漏れ日とのコントラストが綺麗だった。

数える事も忘れて無心にカーブを繰返して辿り着いた峠の頂上。
周りの山は峠よりも下に見える。
丁度、太陽が山の上に昇って来たところだ。
余りに美しかったので、思わず一旦停止して撮影してしまった。

峠の最後のトンネルを抜けると山の佐久市側はガスで真っ白だった。
引き続きクネクネと曲がる道が続くが、今度は下りだ。
時々別荘らしき建物が現れる。
途中ダム湖を左に眺めながら道を下ると道幅も広がり住宅地になる。
もう終点の臼田も近くだ。

県道は、小海線の臼田駅の横を通りＲ１４１に至って終わった。
あとはＲ１４１を右折し佐久を抜けて御代田、軽井沢だ。

佐久に向け千曲川を渡っていると、正面に気球が浮かんでいた。

午前７時前、無事自宅に到着。
充分にルートを堪能して旅を終えた。

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